![]() Egfr経路を標的化する薬物による治療のための頭頸部癌患者の選択
专利摘要:
マススペクトルデータ解析と分類アルゴリズムを用いた方法により、頭頸部扁平上皮細胞癌(HNSCC)患者が、小分子の上皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR−TKI)およびモノクローナル抗体EGFR阻害剤を含む、上皮増殖因子受容体経路を標的化する薬物の恩恵を受ける見込みがあるかどうかを決定することが可能である。本方法は、a)患者の血液ベースのサンプルからマススペクトルを得ること;b)工程a)で得られたマススペクトルに対して1以上の予め規定した前処理工程を行うこと;c)工程b)のマススペクトルに対する前処理工程を行った後に、1以上の予め規定したm/z範囲での該スペクトルにおける選択した特徴の積分強度値を求めること;およびd)その患者が該薬物による処置の恩恵を受ける見込みがある患者なのかその見込みのない患者なのかを同定するために、他の患者由来の血液ベースのサンプルから作成した分類標識されたスペクトルを含んでなるトレーニングセットを用いて工程c)で得た数値を分類アルゴリズムに用いること、を含んでなる。 公开号:JP2011513728A 申请号:JP2010548752 申请日:2009-11-20 公开日:2011-04-28 发明作者:ジュリア・グリゴリーバ;ハインリッヒ・レーダー;マキシム・ツィピン 申请人:バイオデシックス・インコーポレイテッドBiodesix Inc; IPC主号:G01N27-62
专利说明:
[0001] 本発明は、上皮増殖因子受容体(EGFR)経路を標的化する薬物による治療の恩恵を受ける見込みのある癌患者を同定する分野に属する。治療のための最初の選択のための同定は、他の患者からの分類標識されたスペクトルのトレーニングセット(training set)を用いた分類アルゴリズムと連動した、患者から得た血液サンプルのマススペクトル解析によるものである。] 背景技術 [0002] 非小細胞肺癌(NSCLC)は米国において男女とも一番多い死亡原因である。NSCLCには、腺癌、扁平上皮癌、大細胞肺癌、気管支肺胞細胞癌の少なくとも4つのタイプが存在する。肺の扁平上皮(類表皮)癌は、喫煙に最も関連性の高い組織型(microscopic type)の癌である。肺の腺癌は米国における肺癌の全症例の50%を超える。この癌は女性に一般的で、非喫煙者において最も頻度の高いタイプである。大細胞肺癌は、特に神経内分泌に特徴的であるものは、一般的に脳への拡散を伴う。NSCLCが血流に入ると、肝臓、骨、脳、および肺の他の場所などの末梢部位へ拡がる。] [0003] 長年、NSCLCの治療は十分でなかった。進行癌治療の主流である化学療法の効果は、限局癌を除き、ごく僅かである。外科手術は、NSCLCの最も根治の可能性の高い選択肢であるが、癌のステージによっては常に可能というわけではない。] [0004] NSCLC患者を治療するための抗癌剤の開発に関する最近のアプローチは、癌細胞の増殖および分化能力を減少または消滅させることに焦点が当てられている。これらの抗癌剤は、癌細胞に増殖または死を指令するシグナル伝達を遮断するために用いられる。通常、細胞増殖は、細胞が受け取るシグナルによって厳密に制御されている。しかし、癌細胞においては、このシグナルに異常が発生し、細胞は制御できない状態で増殖と分化を続け、これにより腫瘍が形成する。上皮細胞増殖因子と呼ばれる化学物質が体内の多くの細胞表面に存在する受容体に結合すると、これらのシグナル伝達経路のひとつが開始される。上皮増殖因子受容体(EGFR)として知られるこの受容体は、細胞内に存在するチロシンキナーゼ(TK)と呼ばれる酵素の活性化を介して細胞にシグナルを送る。このシグナルは細胞に増殖と分化を知らせるために用いられる。] [0005] 腫瘍学における標的化治療の使用は、化学療法が以前は唯一実行可能な選択肢であった進行したステージの充実性腫瘍における治療法を改善する新しい機会を生み出した。例えば、上皮増殖因子受容体(EGFR)経路を標的とする薬物(タルセバ(エルロチニブ)、エルビタックス(セツキシマブ)、イレッサ(ゲフィチニブ)が挙げられるがこれに限定されない)が承認され、あるいは特定の非小細胞肺癌(NSCLC)における進行したステージの充実性腫瘍の治療に関して試験中である。Metro G et al, Rev Recent Clin Trials. 2006 Jan; 1(1): 1-13。] [0006] ほぼ全身的な癌治療の一つの制限は、1種類の薬剤が少数の患者にしか効かないということである。標的化治療の分野が発展するにつれて、予測バイオマーカーが、任意の与えられた治療の成功に欠かせないということが明らかになってきた。事実、行政当局によって最近承認された多くの試薬が、遍在する分子の変化を隠し持っている疾患において存続している、事実上の予測マーカーである(例えば、慢性骨髄性白血病におけるイマチニブ)、または患者を選択するためのアッセイと連動するもの(例えば、HER2陽性乳癌患者におけるトラスツズマブ)である。同様に、選択されなかった患者集団に対する標的化試薬の投与(例えば、HNSCCにおいてゲフィチニブ250mg)では、通常、奏功率は僅かか全くない。これらのマーカーが個々の患者が恩恵を受ける見込みを顕著に増大するであろうから、表向きは、任意の薬物の成功を収めた開発はその効力の予測因子と関連する。死亡率と効果のない薬剤で癌患者を治療する負担に鑑みると、これらの努力を払うことは必要不可欠である。] [0007] いくつかの臨床試験においてEGFR阻害剤(EGFR−I)が、選択されなかった集団においても十分な延命効果をもたらすことが示されているが、他の集団では実質的な効果はなかった。このことはアストラゼネカ社がEGFR−チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)(ゲフィチニブ、イレッサ)を米国市場から撤退させることにつながった。承認されたEGFR−Iのケースにおいてさえ、有効性と信頼性の試験には、EGFR−Iによる治療の恩恵を受ける患者とそうでないと思われる患者を区別する必要があるということがますます明らかになってきている。Landanyi M, et al., Mod Pathol. 2008 May; 21 Suppl 2:S16-22。] [0008] 我々の先の出願である米国特許出願第11/396,328号(米国特許公報第2007/0231921)において、我々は、質量分析法を用いた簡単な血清ベースの前治療試験と、その疾患を有する他の患者から得た分類子と分類標識されたスペクトルのトレーニングセットを用いた高度なデータ解析技術により、非小細胞肺癌患者におけるEGFR経路を標的化する薬物による治療のための患者選択に有望であることを示した。本明細書の一部を構成するTaguchi F et al., JNCI 2007 v99(11), 838-846も参照。商品化バージョンではVeriStratと称するこの試験は、「VeriStrat good」または「VeriStrat poor」のラベルを前治療の血清または血漿サンプルに割り当てる。JNCIの文献では、「VeriStrat good」対「VeriStrat poor」の患者のハザード比が約0.5で、「VeriStrat good」の患者は「VeriStrat poor」の患者よりもEGFR−I治療の恩恵を受ける見込みが高いことが示されている。] [0009] ここでは、頭頸部扁平上皮細胞癌は、口腔、咽頭および喉頭、唾液腺、副鼻腔、鼻腔、並びに首の上部のリンパ節の扁平上皮細胞癌によって特徴付けられる様々な癌を指すのに用いる。頭頸部癌は米国におけるすべての癌のおよそ3〜5%を占める。これらの癌は男性と50歳以上の人に多い。タバコ(かみタバコを含む)とアルコールは頭頸部癌、特に口腔、中咽頭、下咽頭および喉頭の癌、の最も重要な危険因子である。頭頸部癌の85%は喫煙に関連している。] 発明が解決しようとする課題 [0010] 我々は、患者のサンプルのマススペクトル解析および我々の以前の特許出願で開示したトレーニングセットを用いた分類の方法が、EGFR経路を標的化する薬物からの恩恵を受けると思われるNSCLC患者を最初に同定するための選択ツールとなるだけでなく、この方法が、そのような薬物による治療のための頭頸部扁平上皮細胞癌(HNSCC)患者の選択のための選択ツールにもなることを発見した。] [0011] さらに我々は、そのような治療のための選択(NSCLC患者およびHNSCC患者に関する選択を含む)は、EGFR阻害剤(EGFR−I)の2つの主要なクラス、即ち、 (1)ゲフィチニブおよびエルロチニブ等の小分子チロシンキナーゼ阻害剤(TKIs)と(2)セツキシマブ(エルビタックス)およびパニツムマブ等のモノクローナル抗体EGFG−I、に当てはまることを発見した。] [0012] さらに、開示した方法は単純な血液サンプルのみを必要とするので、本方法は、そのような患者の選択を迅速且つ煩わしさを伴うことなく行うことが可能である。] 課題を解決するための手段 [0013] 1つの具体的な態様では、あるHNSCC患者が、EGFR経路を標的化する薬物(例えば、タルセバ(エルロチニブ)、エルビタックス(セツキシマブ)、イレッサ(ゲフィチニブ)または等価物等のEGFR−TKI)による治療の恩恵を受ける見込みがあるか否かを決定する方法であって、以下の工程を含んでなる方法を開示する: a)患者の血液ベースのサンプルからマススペクトルを得ること; b)工程a)で得られたマススペクトルに対して1以上の予め規定した前処理工程を行うこと; c)工程b)のマススペクトルに対する前処理工程を行った後に、1以上の予め規定したm/z範囲での該スペクトルにおける選択した特徴の積分強度値を求めること;および d)工程c)で得た数値を、他の患者由来の血液ベースのサンプルから作成した分類標識されたスペクトルを含んでなるトレーニングセットを用いて分類アルゴリズムにおいて用い、その患者が該薬物による処置の恩恵を受ける見込みがある患者なのかその見込みのない患者なのかを同定すること。] [0014] 1つの好ましい態様では、マススペクトルは、MALDI質量分析計により得られる。] [0015] 一態様では、薬物は小分子の上皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤を含んでなる。あるいは、薬物は、モノクローナル抗体の上皮細胞増殖因子受容体阻害剤である。] [0016] 好ましい態様では、予め規定された前処理工程は、バックグラウンド除去スペクトルを作成するバックグラウンド除去工程と、バックグラウンド除去スペクトルの正規化を行う正規化工程を含んでなる。] [0017] 1つの可能な態様では、トレーニングセットは、非小細胞肺癌患者由来の血液ベースのサンプルから作成した分類標識されたスペクトルを含んでなる。] 図面の簡単な説明 [0018] 図1は、本発明の好ましい態様による、EGFR−Iによる治療のためのHNSCC癌患者の選択の方法を示すフローチャートである。 図2は、ゲフィチニブで治療したHNSCC患者と、図1の方法を用いて血清サンプルに割り当てた分類ラベルについてのカプラン・マイヤープロットである。このプロットは、「good」対「poor」のハザード比が0.41(95%CI:.22−.79)であり、「good」とラベルされた患者が「poor」とラベルされた患者よりもゲフィチニブによる治療後の予後が良好であることを示している。 図3は、セツキシマブで治療したHNSCC患者と、図1の方法を用いて血清サンプルに割り当てた分類ラベルについてのカプラン・マイヤープロットである。このプロットは、「good」対「poor」のハザード比が0.26(95%CI:.06−1.06)であり、「good」とラベルされた患者が「poor」とラベルされた患者よりもセツキシマブによる治療後の予後が良好であることを示している。] 図1 図2 図3 実施例 [0019] 我々は、単剤療法としてゲフィチニブ、エルロチニブまたはセツキシマブ、またはEGFR−Iを含む組合せレジメにより治療した再発および/または転移性のNSCLCおよびHNSCC患者由来の、そしてEGFR−Iで処置しなかった患者由来の血清または血漿サンプルのMSプロファイルを検討した。各サンプルからMALDIマススペクトルを得、生存比較のため各患者を「good」または「poor」予後グループに分類した。我々は、このMSプロファイルは、すべてのEGFRI処置集団において生存予後を予測するものであるが、コントロール集団ではそうではないことを見出した。] [0020] EGFR−I標的化による治療のためのNSCLCおよびHNSCC患者の選択の方法は、図1のフローチャートのプロセス100として示している。] 図1 [0021] ステップ102では、血清または血漿サンプルを患者から得る。一態様では、血清サンプルを3つのアリコートに分け、各アリコートそれぞれに対して独立に、質量分析とその後のステップ104、106(サブステップ108、110および112を含む)を行う。] [0022] ステップ104では、サンプルを質量分析にかける。質量分析の好ましい方法は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)飛行時間(TOF)質量分析法であるが、他の方法も可能である。質量分析法は、当分野において慣用であるように、複数の質量対電荷比(m/z)での強度を示すデータポイントを作成する。一態様例では、サンプルを解凍し、4℃にて1500rpmで5分間遠心する。さらに、血漿サンプルをMilliQ水中で1:10または1:5に希釈することができる。希釈したサンプルは、MALDIプレート上でランダムに配置された位置に3回スポットされる(即ち、3つの異なるMALDIターゲットに)。0.75μLの希釈した血清をMALDIプレートにスポットした後、35mg/mLのシナピン酸(50%アセトニトリルおよび0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)中)0.75μLを加え、ピペットで液を5回上下させることにより混合することができる。プレートを室温で乾燥させることができる。本発明の原理に則って血清を調製し処理するために他の技術および手順を用いることができるということは理解される。] [0023] マススペクトルは、スペクトルの自動または手動校正を備えたVoyager DE-PROまたはDE-STR MALDI TOF質量分析計を用いてリニアモードで陽イオンについて得ることができる。各血清標本について平均525または500のスペクトルを作成するために、75または100のスペクトルを、各MALDIスポット内の7または5つの位置から集める。スペクトルは、タンパク質標準の混合物(インスリン(ウシ)、チオレドキシン(大腸菌)、およびアポミオグロビン(ウマ))を用いて外部校正する。] [0024] ステップ106では、ステップ104で得られたスペクトルを1またはそれ以上の予め規定された前処理ステップに付する。前処理ステップ106は、ステップ104で得られたマススペクトルデータにおいて動作するソフトウェア命令を用い汎用コンピュータで実施する。前処理ステップ106はバックグラウンド除去(ステップ108)、正規化(ステップ110)およびアライメント(ステップ112)を含む。バックグラウンド除去のステップは、好ましくは、スペクトルにおけるバックグラウンドの頑健な(robust)、非対称推定(asymmetrical estimate)の作成を伴い、スペクトルからバックグラウンドを除去する。ステップ108は、本明細書の一部を構成する米国特許出願公開第2007/0231921号および同第2005/0267689号に記載されているバックグラウンド除去技術を用いる。正規化ステップ110は、バックグラウンド除去スペクトルの正規化を行うものである。我々の前の特許出願US2007/0231921に記載されているように、正規化は部分イオン電流または全イオン電流正規化の形態をとることができる。ステップ112は、US2007/0231921に記載されているように、正規化されたバックグラウンド除去されたスペクトルを、分類子により用いられるトレーニングセットの検証から得られる予め規定されたマススケールにアラインする。] [0025] 前処理ステップ106を行ったら、プロセス100はステップ114に進み、予め規定されたm/z範囲にわたってスペクトルの選択した特徴(ピーク)の値を得る。ピーク発見アルゴリズムのピーク幅の設定を用いて、正規化したおよびバックグラウンド除去した振幅をこれらm/z範囲にわたって積分し、この積分値(即ち、特徴の幅間の曲線下面積)を特徴に割り当てることができる。このm/z範囲内にピークが検出されなかったスペクトルについては、積分範囲を、現在のm/zの位置のピーク幅に対応する幅を有するこの特徴の平均m/zの位置付近のインターバルとして定義することができる。このステップはまた、我々の前の特許出願US2007/0231921においてさらに詳細に開示されている。] [0026] ステップ114では、我々の前の特許出願US2007/0231921において記載したように、スペクトルにおける特徴の積分値は、1またはそれ以上の以下のm/z範囲で得られる: 5732〜5795 5811〜5875 6398〜6469 11376〜11515 11459〜11599 11614〜11756 11687〜11831 11830〜11976 12375〜12529 23183〜23525 23279〜23622および 65902〜67502。] [0027] 好ましい態様では、これらm/z範囲の少なくとも8つのm/z範囲、より好ましくは全12のm/z範囲で値を得る。これらピークの有意度および発見の方法は前の特許出願US2007/0231921に例示されている。] [0028] ステップ116では、ステップ114で得られた値を分類子に適用し、これは記載した態様ではk最近傍(KNN)分類子である。分類子は、他の患者の集団(NSCLC患者またはHNSCC癌患者であろう)から得られた分類標識されたスペクトルのトレーニングセットを使用する。114の値に対するKNN分類アルゴリズムおよびトレーニングセットの適用は、我々の特許出願公開US2007/0231921において説明されている。確率的KNN分類子または他の分類子を含む、その他の分類子を用いることができる。] [0029] ステップ118では、分類子は、スペクトルについて、「good」、「poor」または「undefined」のいずれかのラベルを付与する。上記したように、ステップ104〜118は与えられた患者のサンプルからの別々の3つのアリコートに対して並行して行う。ステップ120では、チェックを行い3つのアリコートすべてが同じ分類ラベルか確認する。同じでなければ、ステップ122に示すように未確定の結果が返される。すべてのアリコートが同じラベルであれば、ステップ124に示すようにそのラベルが報告される。] [0030] ステップ124で報告されたラベルが「good」であれば、その患者がEGFR経路標的化薬物の投与、または治療の過程で患者をモニターしている場合は継続投与、による恩恵を受ける見込みがあることを示す。ステップ124で報告されたラベルが「poor」であれば、その患者がそのような薬物による恩恵を受ける見込みがないことを示す。] [0031] ステップ106、114、116および118が、前処理ステップ106、ステップ114のスペクトル値の入手、ステップ116のKNN分類アルゴリズムの適用およびステップ118の分類ラベルの作成をコードするソフトウェアを用いるプログラムされた汎用コンピュータで典型的に実行されることは理解される。ステップ116で用いた分類標識されたスペクトルのトレーニングセットは、コンピュータのメモリーまたはコンピュータにアクセス可能なメモリーに保存される。] [0032] 本願に記載された方法を、ゲフィチニブ(商品名イレッサ、アストラゼネカ)による処治療前に採取したHNSCC患者の55個のサンプルのセットに適用した。このうち、31個のサンプルが「good」、23個のサンプルが「poor」、1個のサンプルが「undefined」であった。解析は完全に盲検化、即ち、ラベルを決定する間は臨床データを入手できないようにして行った。ラベルが付いたら、臨床データを非盲検とし、全生存率のエンドポイントについて、臨床データからカプラン・マイヤー解析を行った。「good」および「poor」のラベルの患者についてカプラン・マイヤー曲線を図2に示す。「good」の患者は、ゲフィチニブの処置後の予後が「poor」の患者よりも良好であった(「good」対「poor」のハザード比0.41(95%CI:.22−.79))。「good」と「poor」の曲線は、統計的に有意差がある(long-rank p=0.07)。これらの結果は、本願に記載した試験が、HNSCC患者を、ゲフィチニブの処置後の予後が統計的に異なるグループに分けることができることを示している。] 図2 [0033] 本願に記載した方法はさらに、セツキシマブ(商品名エルビタックス、イムクローン)による処置の前に採取したHNSCC患者由来の21個のサンプルのセットに適用した。 このうち、16個のサンプルが「good」、5個のサンプルが「poor」であった。解析は完全に盲検化、即ち、ラベルを決定する間は臨床データを入手できないようにして行った。ラベルが付いたら、臨床データを非盲検とし、全生存率のエンドポイントについて、臨床データからカプラン・マイヤー解析を行った。「good」および「poor」のラベルの患者についてカプラン・マイヤー曲線を図3に示す。「good」の患者は、セツキシマブの処置後の予後が「poor」の患者よりも良好であった(「good」対「poor」のハザード比0.26(95%CI:.06−1.06))。「good」と「poor」の曲線は、統計的有意差に近い(long-rank p=0.061)。これらの結果は、本願に記載した試験が、HNSCC患者を、セツキシマブの処置後の予後が統計的に異なるグループに分けることができることを示している。] 図3 [0034] 上記の考察から、 a)患者の血液ベースのサンプルからマススペクトルを得ること; b)工程a)で得られたマススペクトルに対して1以上の予め規定した前処理工程を行うこと; c)工程b)のマススペクトルに対する前処理工程を行った後に、1以上の予め規定したm/z範囲での該スペクトルにおける選択した特徴の積分強度値を求めること;および d)その患者が該薬物による処置の恩恵を受ける見込みがある患者なのかその見込みのない患者なのかを同定するために、他の患者由来の血液ベースのサンプルから作成した分類標識されたスペクトルを含んでなるトレーニングセットを用いて工程c)で得た数値を分類アルゴリズムに用いること を含んでなる、HNSCC患者がEGFR経路を標的化する薬物による処置の恩恵を受ける見込みがあるかどうかを決定する方法が記載されていることが認識されよう。] [0035] 好ましい態様では、1以上のm/z範囲は以下からなるm/z範囲の群から選択される1以上のm/z範囲を含んでなる: 5732〜5795 5811〜5875 6398〜6469 11376〜11515 11459〜11599 11614〜11756 11687〜11831 11830〜11976 12375〜12529 23183〜23525 23279〜23622および 65902〜67502。] [0036] 好ましくは、マススペクトルはMALDI質量分析計により得られるが、必須ではない。] [0037] 患者がそれによる恩恵を受ける見込みがあるか否かが同定される薬物には、小分子の上皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(ゲフィチニブまたはエルロチニブ)、あるいはセツキシマブ等のモノクローナル抗体の上皮細胞増殖因子受容体阻害剤を含んでなる。] [0038] 開示した好ましい態様の具体的な詳細からの変更は、本発明の範囲から逸脱することなく勿論可能である。添付する特許請求の範囲を参照することによって範囲が決まる。]
权利要求:
請求項1 頭頸部扁平上皮細胞癌(HNSCC)患者がEGFR経路を標的化する薬物による処置の恩恵を受ける見込みがあるかどうかを決定する方法であって、a)患者の血液ベースのサンプルからマススペクトルを得ること;b)工程a)で得られたマススペクトルに対して1以上の予め規定した前処理工程を行うこと;c)工程b)のマススペクトルに対する前処理工程を行った後に、1以上の予め規定したm/z範囲での該スペクトルにおける選択した特徴の積分強度値を求めること;およびd)その患者が該薬物による処置の恩恵を受ける見込みがある患者なのかその見込みのない患者なのかを同定するために、他の患者由来の血液ベースのサンプルから作成した分類標識されたスペクトルを含んでなるトレーニングセットを用いて工程c)で得た数値を分類アルゴリズムに用いることを含んでなる方法。 請求項2 マススペクトルがMALDI質量分析計により得られる、請求項1記載の方法。 請求項3 予め規定された前処理工程が、バックグラウンド除去スペクトルを作成するバックグラウンド除去工程と、バックグラウンド除去スペクトルの正規化を行う正規化工程を含んでなる、請求項1記載の方法。 請求項4 トレーニングセットは、非小細胞肺癌患者由来の血液ベースのサンプルから作成した分類標識されたスペクトルを含んでなる、請求項1記載の方法。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题 JP6010597B2|2016-10-19|Biomarkers for ovarian cancer Hüttenhain et al.2012|Reproducible quantification of cancer-associated proteins in body fluids using targeted proteomics Hardesty et al.2011|Protein signatures for survival and recurrence in metastatic melanoma Chaurand et al.2004|Proteomics in diagnostic pathology: profiling and imaging proteins directly in tissue sections Rodrigo et al.2014|MALDI-TOF MS as evolving cancer diagnostic tool: a review Schöne et al.2013|MALDI imaging mass spectrometry in cancer research: combining proteomic profiling and histological evaluation JP4644123B2|2011-03-02|卵巣がんを検出するためのバイオマーカーの使用 Selevsek et al.2011|Systematic quantification of peptides/proteins in urine using selected reaction monitoring Noguchi2006|Predictive factors for response to docetaxel in human breast cancers Schwamborn et al.2010|MALDI imaging mass spectrometry–painting molecular pictures Morita et al.2010|Imaging mass spectrometry of gastric carcinoma in formalin‐fixed paraffin‐embedded tissue microarray Schröck et al.2017|Free-circulating methylated DNA in blood for diagnosis, staging, prognosis, and monitoring of head and neck squamous cell carcinoma patients: an observational prospective cohort study Nishino et al.2012|Histologic and cytomorphologic features of ALK-rearranged lung adenocarcinomas JP5069214B2|2012-11-07|卵巣癌及び子宮内膜癌のバイオマーカー:ヘプシジン Belluco et al.2007|Serum proteomic analysis identifies a highly sensitive and specific discriminatory pattern in stage 1 breast cancer Besson et al.2011|A quantitative proteomic approach of the different stages of colorectal cancer establishes OLFM4 as a new nonmetastatic tumor marker Amann et al.2010|Genetic and proteomic features associated with survival after treatment with erlotinib in first-line therapy of non-small cell lung cancer in Eastern Cooperative Oncology Group 3503 Wang et al.2016|A dried blood spot mass spectrometry metabolomic approach for rapid breast cancer detection Casadonte et al.2014|Imaging mass spectrometry to discriminate breast from pancreatic cancer metastasis in formalin‐fixed paraffin‐embedded tissues Bharti et al.2007|Biomarker discovery in lung cancer—promises and challenges of clinical proteomics CN105229164B|2019-02-12|指示癌症疗法的srm测定 JP6659809B2|2020-03-04|口腔癌検出用唾液バイオマーカー Ralhan et al.2008|Discovery and verification of head-and-neck cancer biomarkers by differential protein expression analysis using iTRAQ labeling, multidimensional liquid chromatography, and tandem mass spectrometry Schwartz et al.2005|Proteomic-based prognosis of brain tumor patients using direct-tissue matrix-assisted laser desorption ionization mass spectrometry You et al.2010|Innovative biomarkers for prostate cancer early diagnosis and progression
同族专利:
公开号 | 公开日 US20090171872A1|2009-07-02| TWI368737B|2012-07-21| KR101131309B1|2012-04-02| TW201028688A|2010-08-01| ES2368784T3|2011-11-22| IL211943A|2014-01-30| JP5025802B2|2012-09-12| HK1148073A1|2011-08-26| US7867775B2|2011-01-11| EP2247954A1|2010-11-10| AU2009338174B2|2012-02-02| CA2718113A1|2010-07-29| IL211943D0|2011-06-30| WO2010085235A1|2010-07-29| AU2009338174A1|2010-07-29| AT516503T|2011-07-15| KR20110047171A|2011-05-06| EP2247954B1|2011-07-13|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题 JP2007531525A|2004-03-31|2007-11-08|ザジェネラルホスピタルコーポレーション|上皮細胞成長因子受容体ターゲティング治療に対する癌の応答性を決定する方法| WO2007126758A2|2006-03-31|2007-11-08|Biodesix Inc|Method and system for determining whether a drug will be effective on a patient with a disease|JP2013520681A|2010-02-24|2013-06-06|バイオデシックス・インコーポレイテッドBiodesixInc|質量スペクトル分析を用いた、治療薬投与のための癌患者のセレクション|EP1540010B8|2002-08-06|2010-07-14|The Johns Hopkins University|Use of biomarkers for detecting ovarian cancer| AU2004248140A1|2003-05-30|2004-12-23|Cedars-Sinai Medical Center|Gene expression markers for response to EGFR inhibitor drugs| US20050267689A1|2003-07-07|2005-12-01|Maxim Tsypin|Method to automatically identify peak and monoisotopic peaks in mass spectral data for biomolecular applications| US20050048547A1|2003-07-17|2005-03-03|Hongyu Zhao|Classification of disease states using mass spectrometry data| AU2005231101A1|2004-03-30|2005-10-20|Eastern Virginia Medical School|Lung cancer biomarkers| US20060029574A1|2004-08-06|2006-02-09|Board Of Regents, The University Of Texas System|Biomarkers for diagnosis, prognosis, monitoring, and treatment decisions for drug resistance and sensitivity| WO2007109571A2|2006-03-17|2007-09-27|Prometheus Laboratories, Inc.|Methods of predicting and monitoring tyrosine kinase inhibitor therapy| US7867775B2|2006-03-31|2011-01-11|Biodesix, Inc.|Selection of head and neck cancer patients for treatment with drugs targeting EGFR pathway|US7906342B2|2006-03-31|2011-03-15|Biodesix, Inc.|Monitoring treatment of cancer patients with drugs targeting EGFR pathway using mass spectrometry of patient samples| US7867775B2|2006-03-31|2011-01-11|Biodesix, Inc.|Selection of head and neck cancer patients for treatment with drugs targeting EGFR pathway| US7736905B2|2006-03-31|2010-06-15|Biodesix, Inc.|Method and system for determining whether a drug will be effective on a patient with a disease| CA2824877A1|2011-01-28|2012-08-02|Biodesix, Inc.|Predictive test for selection of metastatic breast cancer patients for hormonal and combination therapy| CA2878044A1|2012-06-26|2014-01-03|Biodesix, Inc.|Mass-spectral method for selection, and de-selection, of cancer patients for treatment with immune response generating therapies| US8718996B2|2012-07-05|2014-05-06|Biodesix, Inc.|Method for predicting whether a cancer patient will not benefit from platinum-based chemotherapy agents| TW201621315A|2014-12-03|2016-06-16|拜歐迪希克斯公司|使用maldi-tof質譜分析以早期偵測高風險群中之肝細胞癌| WO2019046585A1|2017-08-30|2019-03-07|Genecentric Therapeutics, Inc.|Gene expression subtype analysis of head and neck squamous cell carcinoma for treatment management|
法律状态:
2012-01-12| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120111 | 2012-01-12| A871| Explanation of circumstances concerning accelerated examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20120111 | 2012-01-30| A975| Report on accelerated examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20120127 | 2012-02-22| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120221 | 2012-05-12| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120511 | 2012-05-29| TRDD| Decision of grant or rejection written| 2012-06-06| A01| Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120605 | 2012-06-07| A01| Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 | 2012-06-28| A61| First payment of annual fees (during grant procedure)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120619 | 2012-06-29| FPAY| Renewal fee payment (event date is renewal date of database)|Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150629 Year of fee payment: 3 | 2012-06-29| R150| Certificate of patent or registration of utility model|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 | 2015-06-16| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 | 2016-06-29| LAPS| Cancellation because of no payment of annual fees|
优先权:
[返回顶部]
申请号 | 申请日 | 专利标题 相关专利
Sulfonates, polymers, resist compositions and patterning process
Washing machine
Washing machine
Device for fixture finishing and tension adjusting of membrane
Structure for Equipping Band in a Plane Cathode Ray Tube
Process for preparation of 7 alpha-carboxyl 9, 11-epoxy steroids and intermediates useful therein an
国家/地区
|